“税金というのは”利益”に対してかかりますよね。
利益は”収益”から”費用”を引いたものです。
つまり”費用”を過大に計上すれば”利益”が減らせて、収める税金が少なくて
済むわけです。
そういう意味で引当金みたいな恣意性の高い(当事者の加減でいくらでも操作
できる)費用項目は”脱税”に利用されることが多いわけです。
そういうことでお役所としては引当金を計上するということに非常に厳格なルール
を定めています。つまりある一定以上の引当金は費用とは認められず、その分を損益計算書の費用から引かなくてはなりません。結果として税金が増えるわけです。
税の戻りとはなにか?
A社が倒産しそうだということで、銀行はそのA社の融資額に対して引当金
つみました。ネガティブな情報が流れているとはいえこの時点ではA社は倒産していませんので、引当金を積む根拠は”銀行の勝手な判断”です。ですからお役所は
その引当金をその時点では費用とは認めず、税金を取りました。

さて、A社が倒産しました。この時点でA社の倒産は客観的事実になったわけです。つまりこの時点で銀行の引当金には”客観的な正当性”が証明されたわけですね。お役所にはその引当金分の税金を返す義務が生じるわけです。

いま日本は景気が悪く、銀行は多くの引当金をつんでいます。これは決して脱税のためではなく、銀行が生き残るための必死な行動なのです。お役所としてもそれは
わかっているのですが、一応ルールという建前上銀行に税金を納めさせています。
しかし、予測どおり企業が倒産すれば、支払った税金は当然戻ってくるはずです。

この事実を貸借対照表に反映させるために作られたテクニカルターム
”繰り延べ税金資産”です。”

繰り延べ税金資産 - 教えて!goo

脱税、と直接言っちゃうのはあれですけどね。ちなみに、同じような扱いになるのが年金資産であります。積み立て想定の利率を調整したらBSをいじれます。あまりやると怒られる且つ不自然且つ周囲から(少なくともプロの目では)白い目で見られますが。