渡部昇一
 なぜ中国政府は首相を靖国神社に参拝させたくないのか。評論家の石平さんとお話しした時に、その理由が分かりました。彼は日本に来る前に、中国で散々「日本人は怖いぞ」と言われていた。何が怖いのかというと、「あいつらは死ぬのが怖くないんだ」といわれたそうです。
 それを聞いて分かりました。中国は日清戦争以来、日本に負け続けていて、十倍以上の戦力があっても勝てなかった。一体どうして負けるのかと考えていたんですね。そこで、日本人が死を恐れずに「吶喊(とつかん)」してくるからだと気付いたわけです。「自分たちはどうしても死が怖い。死にたくない。誰も命が惜しいはずなのに、どうして日本の兵隊は死を恐れないのか」と考えた時に、行き当たったのが靖国神社だった。靖国は、「靖国に祀ってもらえる」「靖国で会おう」といった日本人の精神のよりどころです。だから、彼らは異常なまでに靖国神社を否定するんです。

櫻井よしこ
 今のお話を聞いて、電気に打たれたような感じがいたしました。私は今まで中国が靖国問題を持ち出すのは、「日本に干渉し、過去の歴史を引き合いに出し、こちらの要求を飲ませて屈服させる」ための政治カードだと思っていました。
 でも今のお話を聞くと、狙いはもっと深いところにあって、最後の最後の段階を、彼らは考えていたということですね。日本人が「日本国を守るためには死をも厭(いと)わない」と思う精神の根源が靖国神社であるとして、それゆえに靖国神社を潰しにかかっているという御主旨ですね。

渡部昇一
 そういうことです。中国はさすがによく研究しています。”
— ぼやきくっくり | 中共靖国を否定する理由【将兵万葉集】(2)特別攻撃隊・神風-1 (via sqiz)
出典: sqiz