――ありがとうございます。ではいよいよなんですけど、宮崎駿監督について思っていること、作品についてなどお聞かせいただけますと。 押井:あのさ、ずいぶんあちこちでしゃべったんだけど、結局活字にならないんですよね。それがつまりいまあの人が置かれている、ある種の状況なんだと思う。一種のタブーになっちゃってるというかね。それは映画監督にとって決していいことじゃないんですよ。たぶんどのメディアにとってみても、あの人を批判することで利益にならないというかさ。あの人はいまみたいに偉い人間である限り、どこかしら利益につながっていくというさ、そういう構造にはまっちゃったから。だからもう、かわいそうだと思う。僕はさんざん悪口言ってるんだけど、僕が悪口を言わなくなったら本当に誰も言わなくなるだろうと思って言ってるだけで、それはたぶんあの人の耳にも届いてないだろうし、たぶん誰の耳にも届いてないんだろうけど。僕のまわりの人間はみんなうんざりしてるけど。それはさ、やっぱりなんかね、ほとんど鈴木敏夫のせいですよ。90%ぐらいかな。”
— ニコニ